メイド イン フランチェスカ!

第九話【驚天動地の天変地異!】

僕♂
この物語の主人公。ツッコミスキルがメキメキと育ちざかりな少年。
お金に不自由のない家庭に生まれたためか、世俗とは少しズレた所も。
運動神経はあまりよくないが、クラスで1、2を争う足の速さをもつ。

無限台 篤宗(むげんだい あつむね)♂
とにかく僕のことを愛してやまない、巨体に筋肉の鎧をまとう濃厚な男。
ひょんなことから「フランチェスカ」として住み込み給仕をしていたが、
かつての師匠である残技にその残念な姿を見られて…!?

無限台 地子(むげんだい ちいこ)♀
篤宗の妹。小さな体で懸命に給仕に勤しむ。源氏名はチッチョリーナ。
基本的に真面目だけど、甘いものの誘惑には抗えず容易に降伏する。
最近のマイブームは、スイーツに関する情報を集めることらしい。

父♂
いつでもテンアゲな僕の実父。ふだんは終始ボケに徹する笑い上戸。
旧友の来訪のためか、今回はいつもと比べるとおとなしい。
町内一の富豪だが、どうやって富を築いたのかは今まで謎に包まれている。


縄渡 残技 (なわたり ざんぎ)♂♀
かつて僕の父と共に戦地を駆け抜けた縄使い。篤宗と地子の師匠。
変装が得意で、ふだんから変装している。骨格や声も変えられるので、
はたして今回どんな姿なのかを知るのは、演者と神様のみである。

ナレ♂♀
毎度有能なナレーション。突然のトラブルにも柔軟に対応する。
ナレーションだから叫ばなくて済むと思ったら大間違いである。
最初のセリフにもありますが、今回は効果音も担当オネシャス。

リスナー (りすなー)♂♀
配役表にはいないけど1回だけ出番が!リスナーの皆さん油断は禁物。
リスナーがいないとか、参加できないとかであれば、
キャストのみんなで心を合わせて叫ぶのだ!!


キャラクター設定資料


↓配役表↓/♂2 ♀1 不問3






ナレ(タイトルコール):
   さぁ久々にお仕事しますよ皆様お元気でしたか
   前回までのあらすじィイイイ!!すじィイ…じィィ…
   …あ、いやちょっとね、今日は音響さんが調子悪いみたいで、
   効果音は今回全部セルフでいきますんで、よろしく!

   えー、改めまして、あらっすじ!
   不幸の権化もここに極まり、不良と幼女の挟み撃ち!
   逃げ足 殺気足(さきあし) 忍ばずの行けば、
   ロマンヌ輝く我が家より戦うメイドの吊るし上げ。
   嗚呼、男たちの友情は、千里を超えて万里を超える!

   さぁ灼(や)きつけろ、塵(ちり)となれ!
   縄渡(なわたり)の道のその先は、
   レディース&ジェントルマン!本日これより開幕でございます。

   マイフォンはマナーにしたか?神様にお祈りは?
   隣室の壁ドンにガタガタふるえて台詞を叫ぶ心の準備はOK?

   『メイド イン フランチェスカ!第九話【驚天動地の天変地異!】』



- 僕家 中庭 -



父:あらすじが全然見えないなぁ〜…って思っちゃったそこのチミィ!
  そんなチミはぁ、前話を見にいってしまえばイージャナーイ!!


ナレ:あっコラ!やめろ!カメラ目線やめろ!


篤宗:ち、父君!?突然どうなされた!
   何故ティーカップの中身に向かって話しかけるのだ!

残技:ふん、昔からこういう奴だ。

僕:こ、このひとが…無限台さんの師匠…

篤宗:し、師匠…どうやって俺の居場所をつき止めたのだ…!


ナレ:(SE:ザ、ザ、ザ…(足音))


残技:…ずいぶん攻めた格好で師匠呼ばわりしてくれるじゃないか、この腐れダルマが。


ナレ:縄に締め上げられてピチピチキュートなメイド服が裂け、
   そこからこぼれ落ちる胸筋、妖艶!!


篤宗:ハッ!?イヤン!!

僕:イヤンてアナタ。


ナレ:未だかつて、ここまで誰も幸せになれないポロリがあったろうか!!

リスナー(または全員):いや、ない!!!


残技:任務のために手配した秘薬を受け取りに行かせたはずが…
   いつまで待っても一向に帰ってくる気配がない。
   仲介屋に文(フミ)を出せば、既に受け取っていったと聞く。
   挙句の果ては友の邸宅、給仕に興じる体たらくとは。
   篤宗、貴様…よほど無理のある言い訳を用意しておろうなぁ?


ナレ:縄師のドハツがテンをつく!!
   あっ、ものすごいオーラです!どす黒い!!


篤宗:お、おおおおおお茶の用意ならすぐにでもできるぞ師匠!
   ままままずはおつ、おつ、おつちけ!おちくつのだ師匠!!

地子:何を騒いでるのです兄様!お風呂掃除は…ああぁあぁあ!!?
   お、おおお、おししょさまぁあ!?


ナレ:増える幼女の身の毛もよだつ!


残技:ん…貴様、地子か?
   その格好、なかなか似合っとるではないか。

地子:え、そですか?やっぱり?
   えへへ、ちぃこ前から可愛いなぁ☆って、着たいなぁ☆って、
   着たらちぃこ、ぜーったい可愛いなぁー☆って思ってたんで…


ナレ:(SE:ドォン!!(大太鼓を強く打ち付けたような音))
   放たれた震脚(しんきゃく)が地面から大気をビリビリと揺らす!


地子:……す、けど、そこまででもなかったかなぁ…なんて…アハ、ハハ……!!

残技:行方知れずの篤宗を探しに行かせたはずが…
   やはりいつまで待っても一向に帰ってくる気配がない。
   仲介屋に文(フミ)を出せば、洋菓子を食っただの、幼女は最高だの…

地子:あ、そーですよ!お師匠にも送ったあのお菓子!
   シブーストって言うそうですよ、おいしかったでしょ?

残技:貴様がたいらげた100個分の請求書が送られてさえ来なければな!!
   挙句の果ては兄妹そろって堕落にだらけたママゴト三昧とは。

地子:エヘヘ…おししょさまも、一緒にやるですか?

残技:やると思うか?

地子:デスヨネ

残技:よぅし貴様らそこに直れぇい!!焼き縄縛り2時間の刑!!


ナレ:シュババババ!!スカートの中から無数の縄が!
   炎をまとい、ゴォオ!空を斬って二人を襲う!!ヒュンヒュン!!


僕:何そのスカートどうなってるの!?


ナレ:ちょっとほしいヒュン!


地子:ぴぇええ!?地子は悪くないです、兄様がぁ!!

篤宗:あきらめろ!きっと慣れると熱さが気持ち良くて病みつきになるぞ!

地子:そんな心も体もくたびれたお年寄りの喜びみたいなのヤですよぅ!


ナレ:お灸か!お灸のことか!


地子:ひっ、ひぃやぁぁああっ…………はれ?

父:はい皆さま、へんたい長らくお待たせいたしました!
  日曜朝からさっそう参上、みんなのヒーローミラクルパパリン!
  そのあんよとお手々の手によって、ふたつの命が救われるのであった!!


ナレ:ビチビチと舞う縄をかっこいいポーズですべて止めたのは、
   みんなのヒーローミラクルパパリン!
   変身はしないぞ!
   あと、今来たみたいに言ってるけどさっきからずっといるぞ!


僕:ただの変態志向の三十路のオッサンだよ!!
  ニチアサの子供たちも死んだマグロのような混沌が渦巻く目でおし黙るよ!!

父:ねえどう?どうこのポーズ、息子ドゥー?
  ねえねえ息子てアッツ!この縄アッツイ!!容赦なッツイ!!

僕:えっ…とてつもなくかっこわるい。

残技:チィ…貴様、邪魔立てするか。

篤宗:ち、父君…!!

残技:んだーがぁ!これは我ら師弟の問題!
   部外者は口も手も足も出さんでもらおうか。

父:あらまぁそんな寂しいこと言っちゃって。
  私と残ちゃんたら、甘ーくとろけるチーズのような濃厚で芳醇な間柄ではないですか。

僕:どういう関係だとそういう表現になるわけ…?

残技:私は貴様と仲良しこよしになった覚えはみじんもないが?

父:ああツンデレの破壊力たるや!!


ナレ:その破壊力は通常、デレの部分で発揮されるものですがね。


父:ま、ま、ドタマをヒヤヒヤしたまへ同志。
  ここは私のスイートホーム、これ以上荒らされては庭師の涙で花が咲いちゃう。

僕:うちの庭師の涙どれだけ栄養豊富だよ!?

父:それにー、なんてゆーかぁ、もう二人ともウチでお勤めしてるんだしぃー、
  それってつまりぃ、ズッ友ってゆーかぁ、ファミリーってゆーかぁ。

僕:古い…絶妙に古い…!

父:だからぁー、ミラクルパパリンゎー、
  家族を守らなきゃって感じじゃない?ドンチュー?

地子:ご主人様…!

篤宗:父君…!

僕:いいこと言ってるんだけど、しゃべり方が気になってそれどころじゃないわ。
  何その小さい「ゎ」。

残技:ドンチューの使い方が違う。

父:でもなーでもなー残ちゃんの一生のお願いだもんなー。
  えぇー?もう仕方ないなぁ、そこまで言うなら仕方ないなぁー!

残技:貴様にはその口を閉じてもらう以外に何も求めてないんだが?

父:キコキコキコーン! これ、ぬわぁーんだっ!?

ナレ:なんかどこかで聞いたことあるようなないような効果音と共に
   取りだされたるその御姿!!

残技:……なんだそれは。

父:ドーナッツでーす☆

残技:…クク…ククク……

僕:あっ、駄目だ。この人ホント意味わかんない。

父:いやさー、そんなプリプリ怒ってないでさー、
  ハニーでヤミーなスイーツタイムをユーはトゥギャザーしちゃいなよー。

僕:僕には本当にこの人と同じ血が流れてるんだろうか…

残技:…貴様は変わらんな。よかろう、今日のところは乗ってやる。

僕:えっ、意外と乗っちゃうの!!?

篤宗:師匠はアレでスイーツには目がなくてな…

地子:山奥での修行に「お菓子作り」が含まれるほどですから…

残技:フン、元々私はこやつに伝えることがあって来たんだ。
   馬鹿馬鹿しい挑発に無駄な時間を費やすつもりはないわ。

父:とか言いつつも、甘いモノには目がハ・ア・ト☆になっちゃう
  キューチープリチーな残ちゃんなのでありました。


ナレ:めでたしめでたし。


残技:そろそろ黙らんとメガネをへし折るぞ。


- 僕家 メイド部屋 -



ナレ:メイドたちの休憩部屋。
   大きなメイドと小さなメイドは、温かい紅茶でいっときの平穏を得る。


篤宗:ングッ、ング、ングッ……ングハァア!!染みるぞぉ…。

地子:ハフゥ…まさか、まさかの、おししょ様とご主人様の友情フラグ…

僕:ふたりとも大丈夫?タオル持ってきたよ。

篤宗:兄者、助かる…かたじけない。

地子:ご主人さまが ああ言ってくれて本当に助かりましたです…

僕:意味はよく分からんかったけどね。


- 回想 応接室前 -



父:さてさて、前途に夢あふるる君たちはここまで、しばしのお別れだ。
  何故かって?ここからはオトナのシークレットタイム…秘密の花園だ。
  君たちにはまだ早い。時期が少々…尚早(しょうそう)だ。
  ……ブフッ!!くふ、ヌフヒ、


- 回想強制終了 メイド部屋 -



地子:スイーツタイムを逃したのはヒジョーに無念ですが…

篤宗:同席していたら、師匠の氷点下視線ビームで精神崩壊待ったなしだな…

僕:なんか…いろんな意味で凄そうな人だったね、ふたりのお師匠さん。

地子:いえいえ坊ちゃま…
   凄そうなんてもんじゃないのですよぅ、あのお方は。

篤宗:あの方がその気になれば、
   指先ひとつでこの屋敷など廃墟と化すだろう。

僕:は、廃墟!?

地子:縄なんて必要ないんですよね。
   たわむれに「ホアタァ!」とか言って突っつくだけで
   100人くらい爆散四散させるほどですよぅ。

僕:何それこわい…!じゃ、じゃあ何でわざわざ縄なんて?

地子:ただの快楽ですよぅ。
   おししょ様 若かりし頃に、人肌に跡を残す快感に目覚めたらしーですし。

篤宗:ああ、そういえば…
   縄と肌の摩擦から生じる香りについて3日間熱弁されたこともあったな。

僕:長っ!?

地子:「にわかのにおいフェチなど相手にならんよ」って言ってたですね。

僕:にわか卒業の壁高すぎでしょ!!
  さすが父上のご友人だけあって、濃厚なご趣味をお持ちで…

篤宗:しかし…ハァ、これで俺たちの幸せなお仕え生活も、
   あえなくお開き 千秋楽というわけか…。

地子:うぅぅ…血と汗と涙、その他もろもろ謎の液体に
   まみれて溺れる地獄の日々へ、
   キューテンチョッカーアタックなのですね…

僕:フランチェスカさん…地子ちゃん…


- 僕家 応接室 -


父:嗚呼…嗚呼!嗚呼!嗚呼呼呼呼呼呼呼イエスッ!!
  イエス!ノー?いやイエス!!

ナレ:ガッツポーズのまま大きく息を吸い込んだ中年!
   おや、この後のセリフには句読点がないぞ!?
   ま、まさか…まさか、この後のセリフを息つぎなしで、一息でやるつもりか!?
   読むとこだけ数えても160文字だぞ!?無理はするなよハイどーぞ!!

父:私はいったい幾千の夜 この未来図を夢見ただろう
  誰に邪魔されることもなく 私とアナタ水入らず
  いつだってあのランデブーは 絶妙なタイミングで白むのだ
  夢はしょせん夢であり 夢は現実に勝りはしない
  それはすなわちいわゆるひとつの「すばらしっく悪夢」と
  形容して過言であろうかいやない!!あろなぁい!!!

残技:では本題に入っていいか?

父:あろなぁい…なぁい…なぁい……おっと失礼。
  心身ともに取り乱し、ヨダレもミダラに乱れてしまった。
  とかく、すばらしっく悪夢から望まぬ解放へと導かれし私は、
  濡れた枕をそっとなでて、こうつぶやくのである。
  「グッド・ナイトメア」と。

残技:……。

父:……ドヤ?

残技:ん?

父:…ウォッホン、え〜、ほら、「おやすみ」は「グッドナイト」ね?
  すばらしー悪夢は「グッド・ナイトメア」で、ね?ほら、ドヤァ?

残技:最近この地域でネズミが大量発生していてな。

父:ウーワァオ!!

ナレ:容赦のない本題である!!

父:ちょっとやめてよ残ちゃんせっかくのティータイムにもぉ〜う。

残技:野良猫どもはエサにありつけて大喜びのようだが、
   水面下ではパンデミックの秒読みだ。

父:Oh、ミックそいつは穏やかじゃないね!

残技:人の悪なら動きようもあるが、生態系の問題は手に負えん。
   小さく数の多い相手では、貴様の手にも余るだろう。

父:アーハン。
  そこで我らがセクシービューティーの力を借りようと、私の元を訪れた、と。

残技:明察。だがこの話は、ただの生態系の異常という話には留まらんのさ。

父:オーノーマイッチング!
  なんだいステファニー、これ以上まだ何かあるってのかい!?

残技:ミックはどうした。
   実は偶然、くだんのネズミの死がいを見つけてな。

父:ほぅ、ナイスガイを。

残技:ホレ、こいつだ。

ナレ:(SE:物を投げる音)

父:ワァオ残ちゃんからのブーケトスなんて一生一度の激レアイベント
  これを受け取らないなんて選択肢があろうかいやないあろなァいだけど
  さすがにネズミの死がいはちょっとゴメンナサイしていいかなぁ
  残ちゃん実は私のこと嫌いなのねぇ嫌いなのやめてやめててやめテッテレー
  うぎゃあひぃああ肌に触れたああ死ぬうううこれはもう死ぬしかないいい
  この命の最後にふさわしいキッスを誰かチラッチラッこのくちびるに
  ひとときのうるおいを与えてくれるふつくしき王子様のういろうは、
  ういろうはいらっしゃりませぬか

ナレ:(SE:金属音)

父:……あり?

残技:ネズミの死がい…の頭部と脚部に取り付けられていた機材だ。
   脚部の運動で発電し、小型バッテリーに電気を流すようだな。

父:ほ…ほむ…しかも超小型カメラまで標準装備のお買い得…。

残技:じゅうたん爆撃…ある程度エリアが割れていなければ効果は薄い。
   貴様、どうせ出動のたびにバカ丸出しの日本語を垂れ流していたんだろう。

父:ギクリンチョップ!!…でっ、でもネ?ま、なんてユーノー?
  たかがメインカメラで私の肢体を捉えたからって何だってユーノー?
  ハッ!まさか寝こみを襲うつもり!?ケダモノフィーバーするつもり!?

残技:馬鹿が。狙われるのは貴様ではないわ。

父:あらっ!?

残技:貴様を相手にしても敵わんことは、奴らもそろそろ身に染みた頃合いだ。
   もし私が奴らなら、貴様にとって価値の高いものを盾にする。

父:あぁー……あ、あーでもー、
  残ちゃんを人質に取るなんてインポッシブルってゆーかー?

残技:むりやりごまかすな。

父:残ちゃんの知恵を貸してくだちゃい!!

ナレ:いいオトナが赤ちゃん言葉で土下座だぁー!!

残技:お前にはプライドというものがないのか。

父:んっふっふ。
  プライドよりも何よりも優先されるのが『愛』というものなのです。


- 僕家 メイド部屋 -



僕:まぁ…さ、ふたりとも元気出しなよ。まだ絶対帰るってワケじゃないんだしさ。

篤宗:兄者…そうだな。
   師匠の親友たる父君が、俺を家族とまで言ってくれたのだ。まだ望みは…

地子:そ、そうです!まだあの地獄に還ると決まったワケじゃないのです!

ナレ:そこはかとなく漂うフラグ臭…と、そこへ。
   (SE:ピピッ、プシュウ、ウィーン(扉が開く音))

残技:帰るぞ。

地子:デスヨネー

僕:デスヨネー

ナレ:デスヨネー

篤宗:ま、待たれよ師匠!!

残技:ァン?

ナレ:残技さん目つき悪っ!

篤宗:ぉぐ…お、俺は…まだここに居たいのだ!!

残技:ほー。

地子:おししょさま!ちぃこも!……です。

残技:ンで?

篤宗:これからは、日々の鍛錬(たんれん)はおこたらぬゆえ!

地子:ザンギちゃん体操だって毎朝やりますし、
   10割コンボも小足(こあし)の練習も毎日やりますからぁ!

ナレ:ザンギちゃん体操て。

僕:小足って何。

篤宗:だから!だからどうか、師匠!!

地子:おししょさまぁ!!

残技:ピーチクパーチクとやっかましいわ、
   このローランド・ゴリラとピグミー・マーモセットが!!

篤宗:ぬぐぅ…やはりだめなのかぁ…

地子:ですよねぇ…おししょさまですもんねぇ…

父:そーんなに意地悪してあげることないんじゃなーいのーん?
  残ちゃんたら相変わらずドSなんだからぁ。
  でもそんなところがラブリーキュキュキュン☆

篤宗:ち、父君!

地子:ご主人さま!

僕:ラブリーてお前。

ナレ:キュキュキュンてお前。

残技:フン、人聞きの悪い。
   私は「帰る」と言っただけだ。こやつらが勝手に誤解したんだ。

篤宗:ぬぁ?……と、いうことは…!?

地子:まさか、まさかの、ご主人さま…ッッ!!?

父:ムフフ、いかにも。
  まだまだレディとジェントルには、やって頂くことがありますですから。

残技:ま、そういうことだ。今日のところは勘弁しておいてやる。

篤宗:……ゥゥゥゥウウウウウウオオオオ

地子:……アアアアアアアアイイイイイイイイ

篤宗&地子:イヤッタアアアアーーーーーーーーー!!!

僕:うっわっひゃああ!?

ナレ:すさまじい勢いで胴上げされた少年の身は、
   あっというまにシャンデリアの目前、屋根より低い僕のぼり!!

僕:あっ…えっ、え?え?

ナレ:そしてひとときの無重力。かーらーのー?

僕:…ぃぃいいいああああああ!?

ナレ:レッツ!自由落下の急降下!!

篤宗:あぁあーにじゃああああ!!!

僕:アアアアアアアェグゥッ!!?

ナレ:美しき上腕二頭筋によるダーイナミックキャッチ!!

篤宗:兄者ァ!兄者とォ!!兄者と今後も一緒に暮らせるのだああああ!!!

僕:ゲホッ、ちょっ、と!止まって!落ち着いて!!

地子:地獄から天国へキョウテンドーチのテンペンチーで
   満塁サヨナラ流星拳ですぅぅうううう!!!

僕:わああストップストップ!!

残技:かぁーんちがいするなよ?アツムネ、チーコ。

篤宗&地子:ビクッ!!

ナレ:緊急停止装置作動。

残技:もしも…次に会う時、修練の成果が見られなければ、その時は…

篤宗:そ…その…

地子:ときは…?

残技:……これだ。

ナレ:平和の象徴、Vサイン。

僕:どういうことなの。

篤宗&地子:……………………。

ナレ:(SE:バイブレータ音)

僕:ま、マナーモード!?

父:そう!メイドを務める者が必ず修める能力、それこそがマナーなのである!!
  ……っ!!ぬふっ…今回は割と…ふくっ、まじめにがんばったが、
  ナハッ、もう我慢、ナハァーっハッハッフヒッ、フヒョッ、ムヒョヒョフゥー!
  ヒー!こらえきれぬ笑いの衝動!!ホレ山Dくん!はよぅ!はよぅ座布団を!!

僕:そんなにうまくないうえに無駄にあつかましい!!

ナレ:かくして、ふたりのメイドは明日もまた、
   給仕の仕事に勤しむのであった!



- 次回予告 -




父:いやー息子!いい最終回だった!

僕:え、何?

父:というわけで次回、新番組!
  『超絶★英雄 ミラクル・パパリン!
   Miracle 1【奇跡の種】』

僕:いや嘘だよね!?その番組ぜったいないよね!?
  ホントやめてね!?

父:あっ、種と言ってもムフフ、そういう意味じゃブフォッ!
  いやね、そりゃまぁ数億分の1だし奇跡っちゃ奇跡…ムヒョ、ヌフッ!
  ヌファーッハッ、ハヒー!!ニョヒッヒョッホー!!ブゥエー!!

残技:次回、『メイド イン フランチェスカ!第十話【私と二人じゃ駄目ですか?】
   フン…貴様らは何も知らず、平穏に暮らしていればいいんだ。









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