メイド イン フランチェスカ!

第八話【縄の香りに酔いしれな!】

僕♂
本作の主人公。富豪のご子息でメイドに囲まれて生きている。
羨ましいように感じるが、天は二物を与えずを体現する薄幸ぶりで、
むしろ憐憫の情をも誘う勢いの少年。主にツッコミ担当。
暑苦しい篤宗のことが苦手だが、最近少しずつ心を開いている。

無限台 篤宗(むげんだい あつむね)♂
この世のすべてのボディビルダーが羨む筋肉を持つ濃い顔の男。
とある昔、少年(僕)に命を救われ、家に押しかけ女房ばりに
押しかけ、メイドとして永遠の忠誠を誓う。少年を兄者と呼ぶ。
源氏名フランチェスカ。この話が出来た頃やっとキャラ絵が完成。

父♂
屋敷の支配者…もとい世帯主で、僕と血の繋がっている実父。
本当にこんな人いたらやばいレベルの馬鹿笑いと変態ユーモアを、
一般生活においてふんだんに遺憾なく発揮するカリスマ超人(?)。
馬鹿親…もとい親馬鹿で、息子のツンデレ刃にすら快楽を感じる。

明土 朝与(あかつち さよ)♀
主人に仕えるメイドたちを、笑顔一つで纏める凄腕のメイド長。
太陽の様な眩しさを放つその笑顔は慈愛に満ち、悪を改心させる。
年齢不詳。物腰落ち着いた声と口調から察するに近々曲がり角?

坂本 葉月 (さかもと はづき)♀
主人に仕えるメイドたちのうちの一人。眼鏡してるけど活動的。
一歩引き冷静に物事を見るタイプで、メイド中では真面目な部類。
特に戦闘に長け、苦無(くない)を武器に軽い身のこなしで戦う。

少女Z/残技(女) (しょうじょ ぜっと/ざんぎ かっこおんな)♀
マントに身を包み、フードを目深に被った少女。むしろ幼女。
今回恐らく、台詞の多さをナレと競うくらいの出番の量。
ロリコンも真っ青になるレベルのサディズム。

残技(男) (ざんぎ かっこおとこ)♂
父と同い年の男にして、少女Zの真の姿(たぶん)。
出番はすこぶる少なめですが、いいとこ取りなお方。
イケメンが台無しになるレベルのサディズム。

偽ナレ (にせなれ)♂♀
ナレの名を語るどこぞの組織の人。
ちょっとした事でキレやすいお年頃。
タバコは一日3箱ペースの不健康な子。

ナレ♂♀
いつものナレ。本物のナレ。本物だから伝えられる景色がある。
だからと言って仕事量が減る訳ではなくて、今回も大忙し。
偽ナレの所属する組織と敵対する正義の味方という噂も…!?


キャラクター設定資料


↓配役表↓/♂3 ♀3 不問3






少女Z:朝陽ヶ丘…ここか。
    なーんぞアイツは、こんなヘンピなとこに住んでんだぁ?
    ただでさえ最近の地図はゴチャゴチャして
    分かりにくいってのに…。


残技(男):『メイド イン フランチェスカ!
      第八話【縄の香りに酔いしれな!】』


偽ナレ:オーッスみんなぁ、ひっさしぶりィ!元気してた〜?
    こーんにーちはー!!……あれれぇ?挨拶の声が小さいゾ☆
    もーちょっと声出してみよーかぁ!こーんにーちはー!!
    ……………。
    チッ、ノリ悪ィんだよテメーラ。
    こっちのやる気もしけるっつの、ったく。
    …ァン?いつものナレじゃないだぁ?ンな事ないぞ〜。
    ほぉーら、いつものナレの人ですよ〜?
    よーく見ろよ、ホラ。なぁ、俺の目ェ見ろってホラ。
    ……分かりゃいいんだ。チッ、このヤロウ疑いやがって。
    うっは気分悪ィ。ちぃとヤニ吸ってくっかな。
    この辺コンビニとかあんのかね〜っと…

     【SE:ドンッ(ぶつかる音)】


僕:へぅっ!?

偽ナレ:ぬおっ!?痛ってぇなコラァ!
    どこに目ぇ付けて歩いてんだ クソガキ!!

僕:あ、す、スミマセン!ごめんなさい!

偽ナレ:ゴメンで済んだらなぁ!?マッポはいらねんだよオォイ!!

僕:ひぃぃぃごめんなさぁああぁぁあい!!
  誰かぁぁあ!!

偽ナレ:あっ、てめコラ!待てやゴルァアアア!!


少女Z:むむぅ…地図が分かりにくい…。
    あぁもう、面倒だ!案内人を呼んでやれ!
    えーと、マイフォンは…

僕:ぅゎわゎゎゎ…!

偽ナレ:待てやぁぁあー!

少女Z:ん?


【SE:ドンッ(ぶつかる音)】
【SE:カツーン(マイフォンが落ちる音)】


少女Z:あ。

偽ナレ:あ。悪ィ、急いでんだ。じゃそゆことで。
    コラ待てガキィイ!!

少女Z:お前が待てい。

偽ナレ:べヴォらっ!?

少女Z:貴様…この私のラブリーマイフォン「わかもっち」を
    地面に接吻(せっぷん)させておいて、
    軽い謝罪と足払いごときで済むと思ってるのか?

偽ナレ:おぅおぅ…可愛らしい顔して随分言うじゃねぇの?
    この麗しきナレ様を地面と接吻させといて、
    ケータイひとつ壊したくらいじゃ慰謝料にゃ足んねぇぜぇ?
    ちょーっと痛い目見てもらおうか。うぉらぁ!!


− 3秒後 −


偽ナレ:あっ、ひぁんっ…そこぉ、らめぇっ!
    あああ…体に縄が食い込んで…
    痛いのにっ、きもちいいよぉ…はぁんっ!?

少女Z:縄の香りに酔いしれな…。

僕:あ、あの…助けていただいて、ありがとうございます!

少女Z:ハン…軟弱な。

僕:…ハ?

少女Z:男が敵に背を向けて逃げるとは何事だ!
    そのひ弱な根性、この縄渡 残技(なわたりざんぎ)様が
    叩き直してやるっ!!

僕:えぇええ!?そ、そんなぁ…ヒッ!!?


【SE:ビシィン(鞭の音)】


少女Z:逃げるな、待てぇぇえい!!

僕:ぅわっひぃぃぃいいいいいい!!

偽ナレ:ら…らめぇ…



− 僕家 中庭 −



朝与:今日はいいおてんとさまねぇ〜。洗濯日和、洗濯日和♪

葉月(遠くから):メイド長〜!こっち全部干し終わりましたぜ〜!


ナレ:竹屋竿竹もびっくり仰天!
   若奥様もうっとり昇天!
   全長一粒300メートル、ご立派サイズの伝家の宝刀!
   衝撃!超 ウルトラ ハイパー エクセレント スーパー エレガント
   デラックス トワイライト ロング ロング テラロング 物干し竿!
   だぁぁあああああっっ!!!
   あー疲れた。


朝与:あら。お疲れ様〜!
   こっちもちょうど終わった所だから、お茶にしましょう〜!

葉月(遠くから):ウィース!今そっち行きます〜!


ナレ:暖かな陽気の下、彩り豊かな花たちに囲まれた、美しき庭園。
   微かな風にもそよぐ、草のステージを横切るのは、
   衝撃!超 ウルトラ ハイパー エクセレント スーパー エレガント
   デラックス トワイライト ロング ロング テラロング 物干し竿!
   …にはためく純白のムフフとかウッフンとかイヤァンとか、ね。
   あーはいはいダメですよ〜カメラさんはお仕事こっち。
   うるさいよブーイングしてんじゃないよ!静まれい、静まれぇい!


葉月:…し、静かなのに何故か暑苦しいというか…
   何となく騒がしい気がしますね…。

朝与:ウフフ、きっと草や花が歌ってるのよ。

葉月:やたら洗濯物への不純な執念を感じる歌だ…
   あ、メイド長。お飲み物は何がいいですか?

朝与:フフ、そうねぇ…じゃあ、アールグレイをお願いできるかしら。

葉月:はい。アールグレイは2回…ポチポチッとな。


ナレ:葉月が腕時計のサイドボタンをカチカチと2回押した。
   すると、

【SE:Mission。(機械音声)】
【SE:ビィー!ビィー!ビ…(警告音(3回目で止まる))】

ナレ:屋敷中に警告音が響き渡り…止まった。かと思うと、

【SE:ガシャコン!(機械音)】
【SE:バシューン(蒸気の噴出す音。)】
【SE:ニョニョニョニョ…(何かが成長する音)】

ナレ:葉月の爪先の前。地面が機械的な音をあげて開き、
   下からテーブルと椅子、ティーセット一式が馳せ参じた。

【SE:Complete。(機械音声)】


葉月:…使い慣れてしまってから こう言うのもなんですけど、
   ウチのご主人様は何でこう、無駄なカラクリが好きなんでしょ。


ナレ:呆れを含んだ苦笑を漏らしながら、
   暖かいティーポットに茶葉を入れ、湯を注ぐ。
   メイドの眼鏡が湯気で曇った。


朝与:さぁ…よく分からないけど、ご主人様が言うには、



− 回想 −


父:その道を歩む者にしか、到底 理解らぬ夢がある…
  情熱の血潮 流るる果てに、まだ見ぬ色した空を見る…
  分かるか!?それこそが!嗚呼それこそが!!
  ヲ・ト・コ・の・ロマァァァァァァンヌッッ!!だっ!!!
  あ、ヲトコね?オトコじゃなくて。これ重要だからね?


− 回想終了 −



朝与:ですって。

葉月:ろ、ロマンヌ…ですか…ハハ…ナンダソレ。

朝与:ウフフ、葉月ちゃんもいずれ分かるようになるわよ。

葉月:はぁ…そういうもんですかねぇ。


ナレ:ポトン、とラストドリップを注いだら、
   楽しいティータイムの始まり始まり。


僕(遠くから):ヒィィイイイ…

朝与:あら、あれは…おぼっちゃん?
   今日はお休みなのに、マラソン大会の先行練習かしら…

葉月:というよりも、まるで誰かに追われて…。
   ハッ!?め、メイド長、お体失礼ッッ!!

朝与:あら?

ナレ:席に座るメイド長の肩と足を抱きあげ、メイドはタンと地を蹴る。
   そのコンマ数秒後。


【SE:ドゴォォォォオン!!!(隕石でも降ってきたかのような音。)】


葉月:な…ッ!?

朝与:あらあら、まぁまぁ…いったい何事?


ナレ:何かが空から降ってきた!!
   ティーセットや椅子の欠片が粉となってもうもうと立ち込める中、
   その降ってきたモノはゆらり揺らめき立ち上がった。


僕:ぅわゎわゎわ…ッ!!

少女Z:くくく…顔に似合わず俊敏だな。
    だが、私も人を待たせている身…
    遊びもそろそろ終わりにしようか!!

僕:たっっ、助けてぇぇぇええええッッッ!!


ナレ:叫び声が響き渡ると同時に、その場所から少女の姿が消えた!
   そして…

【SE:キィィンッ(金属音)】


僕:ヒ…ッ!!……あ、あれ?
  …は、葉月さんッ!


ナレ:そっと目を開いた少年の前で、二つの刃が交差していた。
   ギ…ギ…と嫌な音を立てるその接点を介して、
   天と地、龍と虎、二つの視線がにらみ合う。


葉月:不法侵入した上に、我らが主人のご子息を手にかけようとは…
   貴様、どこの組の者だッ!!

少女Z:ほう…給仕にしては将来有望な身のこなしだ。
    あの貧相なガキんちょとは大違い…だが。

葉月:てやぁッッ!!


ナレ:クナイを持つメイドの右手は力を帯び、
   宙に留まる少女の体を吹っ飛ばした!


僕:す、すごい…

朝与:は、葉月ちゃん!危ないっ!

葉月:くっ、不覚…ぼっちゃん、逃げて…!

少女Z:…まだまだ青いな、娘よ。


ナレ:ストン、と少女が着地したときには、
   メイドの肢体を縄が拘束していた!…やけに芸術的に。


葉月:チィッ、こんな縄すぐに…ひゃあんっ!!?
   なっ、これは…!?

少女Z:クク…無駄だ。少しでも動けば全身を快楽の渦が包むだろう。
    たとえ未通女(おぼこ)だろうと…な。

葉月:なっ…だ、黙れこのっ!ふああっ!?

少女Z:ふふ、何もお前の大事なご子息とやらを殺そうってんじゃない。
    ちょっと鍛え直してやろうってだけさ。…ん?

僕:あっ、むげ…

篤宗:ぬぅおおおおおおおおおお…ぬぅぅんっっ!!!


【SE:ドドドドドドドドッ、ドンッ(殴打音)】

ナレ:大切な人のSOSを、聞きつけ駆けつけ現れた男の先制。
   挨拶…というには重すぎる打撃が、
   小さな少女の体を地に叩きつける。


僕:…ん、だい、さん…そ、そこまですることはなかったんでは…

篤宗:まだだ、兄者…。手ごたえがなさすぎるのだ…。

僕:えっ…?


ナレ:ゴムボールのように跳ねる少女の体…は、本物のゴムボール。


篤宗:後ろか!

少女Z:ご名答。


【SE:ドッ…(衝突音)】


僕:ぅわぷっ…


ナレ:二人の拳から、衝撃波が球状に広がる。


少女Z:おぉ、何だ。誰かと思えばお前か。

篤宗:ぬ…?だ、誰だ?

少女Z:そら、稽古の時間だ!気を抜くなっ!?


【SE:ガッ!(打撃音)】

ナレ:男の巨体が小さな足に軽々と10メートルほど蹴り上げられた。
   少女もそれを追って高く跳んだ。


篤宗:うおっ!?く…見かけによらず、なんて重い蹴りなのだ…!

少女Z:まだまだっ!

篤宗:ハッ…!?ぬ、ヌゥォオオオオオッッッ!!


ナレ:空中で体勢を立て直した篤宗の目前に、ニヤリと笑う影。
   構え、舞うように打撃を繰り出すも…


篤宗M:こ、この華麗なる捌き…重い蹴り、そして…

少女Z:さぁ…この香りで思い出させてやろう!!


【SE:ズズゥン…(着地音)】

ナレ:二つの影が落ち、土煙を巻き上げた。


僕:む…無限台さんっ!大丈夫で…

篤宗:そして…この縄の技術。やはり…あふん。

残技(男):ふん…外の世界を見れば、もう少し強くなるかと思ったが…
     日々の鍛錬をサボったなァ、篤宗。


ナレ:薄れゆく煙。その中より現れたのは、
   縄に自由を奪われ 足蹴にされた篤宗と、
   それを足蹴にする悪カッコイー男であった。


僕:ぅえ!?ちょ、誰ぇぇえ!!え、今までのあの女の子は!?

篤宗:ハァ、ハァ…師匠…どうしてここに…うっ!

僕:師匠ォォオオ!!?

父:やぁやぁ、もう相変わらずやんちゃだなぁマイフレンド。
  時間になっても連絡ないから心配しちゃったぞーん?

僕:フレンドォォオオオ!!??

残技(男):ん…なぁ〜んだ、ここがお前の家だったのか。

父:あ、ちなみに、フレンズといっても夜のお供という訳では、むふっ、
  でもさっきの可愛らしい姿ならそれもいいかなーなんて、
  いくらなんでも制限ぶっちぎりだっつーのね!だっつーのねっ!
  ヌァーッハッハッ ヘブラ ベブラ ギハギハ ゲラゲラ
  ボフーベフーバフフー うっひょひょひょっひょーい!!

残技(男):デリカシーのなさと馬鹿な笑い方は相変わらずだな、相棒。

僕:相棒ォォォォォオオ!!??

父:そうとも息子よ!紹介しよう!
  彼こそは若き日からの心の友!美しき友情ドラマの共演者!!
  その名も、縄渡 残技(なわたり ざんぎ) その人で、あーるっっ!!


【SE:ゴワァーン(銅鑼の音)】


僕:な、なな…

残技(男):ハァ…まさかこの貧弱虚弱なガキがお前のセガレとはな…

父:可愛いっしょー!可愛いっしょー!?
  そんなもう言わなくても分かってるってーヌヒョヒョあでもこれ男の子だかんに?
  お嫁にはあげらんないナーッハッハッハハハンハーンッ!!

僕:ひ…貧弱、虚弱…。

ナレ:あまりのバリゾーゴンに涙で目が霞んだ。

少女Z(以降「残技(女)」):ま、それはそれとして。

僕:だから涙で目が霞んでる間にナチュラルに人変わらないでもらえませんっっ!?

朝与:あの服の中はどんな風になってるのかしら…?ふふ、楽しそう。


ナレ:ンな のんきな。

残技(女):相棒、お前一応金持ちなんだろう?
     もう少しセキュリティぐらいしっかりしたらどうだ。

父:いやぁー、ザンギっちの手にかかったら、金庫なんて意味ないってねー!

残技(女):見くびっていたな。まさか追ってこれるとは。

僕:ヒッ!……う?


ナレ:ギン、と大きな目が鋭く少年…の後ろを睨みつけた。
   その視線の先…


偽ナレ:こぉんっ、の、やろぉぉ…っ!
    ナレ様の、千里眼を、なめてんじゃ、ねぇぞ、コラァー!

僕:うわわ、また追ってきたぁぁ!

朝与:あら…ご主人様、お客様のようですわ?

父:はて、今日は客人が多いなぁ。
  嗚呼私の!私の人気っぷりに困る!!
  父の人気に嫉妬(しっと)!…あ、Oh Shit(オウ シット)。
  …ブフッ!


ナレ:ナレ様、て。誰よアレ。ウチにあんなのいたっけ?
   やけになまめかしいカッコだな…
   あ、えーと、何か千里眼とか危ないこと言いながら、
   ふところからナイフを取り出したぁ!


偽ナレ:さっきは油断したが、今度は容赦しねぇぞォ!!

僕:こっここここ怖いっっ、たたたた助け…ッ!!


ナレ:少年は腰が抜けている!


篤宗:兄者!ここは俺に任せッッヌフゥン…


ナレ:しかし、からだがしびれてうごけない!


葉月:わたしが…っひゃめぇぇー!


ナレ:論外!!!


朝与:笑顔フラ〜ッシュ!キラッ☆

偽ナレ:うおっまぶし!


ナレ:効くんかい。


父:笑顔フラ〜ッシュ!キラッ☆

偽ナレ:キモイ。
僕:キモイ。
葉月:キモ…。
篤宗:キモイ…。
朝与:キモイ♪
残技(男):キモイ。
残技(女):キモイ。
ナレ:キモイ。

父:ヌァーッハッハッハハッハァーン、アハーハーハァーン(泣)


ナレ:いい年したおっさんがマジ泣きするなよ…。


残技(女):…ハァ。仕方ないな…片付けるとするか。

父:アハーハァン…ハァン…おや。
  ザンギっち、やっつけてくれちゃうわけ?

残技(女):元はと言えば、私の火種だ。
     条件付きで始末してやろう。

父:条件?いったい何がご所望かな?
  私のアツい おフレンチかな?それともディープがお望みかなァーッハハハ

残技(女):馬鹿か。

父:否!天才さ!!

残技(女):紙一重だな。
      貴様も手伝え。腕がなまってないか見てやろう。

父:ハハッ、言われなくともそのつもりだよ。

偽ナレ:何をごちゃごちゃと!
    ナイフ道 五段のこの切っ先、
    避けれるもんなら避けてみろぁぁあ!!!

僕:なっ、速ッ!!?父上、危ないっ!

ナレ:おおお、何か全然手元が見えない!!
   ナイフ道五段のヤンキーが、幼女と中年に飛びかかったぁー!!


偽ナレ:オ、オ、オ、オオオオオオッッ!!!

残技(男):付いてこい!!

父:善処しよう!!


【SE:ヒュオン!(風切り音)】

偽ナレ:うっ!

ナレ:その音はすべての装備を奪い!

【SE:ドスンッ!(重い打撃音)】

偽ナレ:がっ!?

ナレ:その音は四肢(しし)の自由を奪い!

【SE:ガガガガガガッ!!(連続打撃音)】

偽ナレ:ッッッッッッ!!!?

ナレ:その音は炎の龍となって空を駆ける!!

父:灼(や)きつけろ。

残技(男):塵(ちり)となれ。



父&残技(男):煉獄の円舞曲(れんごくのワルツ)。



偽ナレ:ば、馬鹿なぁぁぁぁあああっっ……ハーヒフーヘ○ー


残技(男):汝(なんじ)、縄渡(なわたり)の道となれ。

父:どこの誰だか知らないが、私の息子を泣かせた罪は軽かないのだよ。



ナレ:ヤンキーは星となった。キラッ☆

【SE:キモイ。】

ナレ:!!!???



− 次回予告 −


父:続きは次回ってこれおま、メチャクチャ中途半端ヌァーヒャヒャヒャヒャ!!

葉月:ハァ、ハァ…め、メイド長ぉ、早く助けてくださ…ひぃんっ!?

朝与:あらあら、ええと、ハサミハサミ…。

篤宗:初登場の者にこの扱いとは…ヌフゥン。

残技(男):次回、『メイド イン フランチェスカ!

少女Z:第九話【驚天動地の天変地異!】』
    貧弱ぅー!貧弱ぅー!!

僕:ひぃいっ、こっち来ないでぇぇえっ!!

父:仲良きことは…ブフッ、ヘブライ、ホゲ、ヌハーッハッハッハッ、ダーッハ









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A第9話へ進む!

B台本倉庫へ行く!

C作者に物申す!(ツイッター)

D作者の部屋を物色する!