サヴァンナの詩

『水』




いつものように雨は降り
わたしはまた目を閉じる



分かれども 分かれども
渇きを知らないこの目を
疎ましく思っていた

分かれども 分かれども
希望を求めるこの手を
愚かしく思っていた

今朝方見た逆様のかさは
壊れてもなお
誰かに触れられたいと
雨の下横たわっていた

まるで
わたしのようだった



雨上がり 帰り途
まだ分厚い雲の下で
わたしはあなたに触れた

探しても 探しても
解に届かない幼さを
目を開いて手に取った

今はまだ拙くたよりない
アルミニウムの骨
破れたビニールの皮膚
また少しずつ濡れながら

きっと
いつか凜と立って



いつものように雨は降り
わたしは海に呑まれるけど

愚かでもいい
希望を探して 探していこう

分かれども 分かれども
探して 探していこう

あなたとともに

わたしとともに




あとがき

大人が泣けないのは、涙を溜める水瓶が成長するから。

たくさん泣きなさい、サヴァンナ。
あたたかな涙で泣けるやさしいあなたが大好きです。



@『木』へ

A詩の倉庫へ

B作者へ(ツイッター)

Cトップへ