雪溶けパンチライン




陽太♂:後輩
雪♀ :先輩


↓配役表↓/♂1 ♀1






雪:おっ、陽太こっちだー!

陽太:雪先輩!パンツ見えてます!

雪:何だー?風の音で聞こえないぞー!

陽太:パンツくださーい!

雪:聞こえーん!早く登ってこーい!



陽太:先輩、なんで給水塔の上に?

雪:ここなら他の奴に気づかれんだろ?

陽太:まず屋上が立ち入り禁止なんですが。

雪:グラウンドからも死角だしな。密会には持ってこいだ。

陽太:端の方に立つと見えちゃいますよ。

雪:遠すぎて見えんよ。

陽太:いや、割と見えますよ。

雪:目がいいんだな。

陽太:見たいものはよく見えるんです。

雪:先輩のパンツとかな。

陽太:通報だけはご勘弁を!

雪:お前本当そういう調子に乗っちゃう所かわいいよなー。

陽太:高二の冬を越えた男子にかわいいはいけませんよ先輩。

雪:かわいい後輩にかわいいと言って何が悪い。

陽太:男子三日会わざれば刮目して見よ、というじゃないですか。

雪:ほう、なかなか難しい言葉を知ってるな。

陽太:部室で先輩と出会ってから二年。三日どころではありません。

雪:そうか…もう二年か。いろいろ思い出すな。

陽太:先輩…

雪:そういえばさ、こんど部室の改装工事で、
  お前のお気に入りのアレ、なくなっちゃうらしいな。

陽太:アレ、と言うと?

雪:ほら、お前がせっせと掘ってた、部室のポスターの裏の覗き穴。

陽太:オギャーッ!!

雪:ごまかすの大変だったな…
  掘る音とか、開通で更衣室側に落ちた壁の欠片とか。

陽太:誠に申し訳ございませんでした!

雪:さて、何を刮目して見るんだっけ?ん?

陽太:見ないでください…

雪:本当かわいい奴だねお前は。

陽太:死にたい…

雪:また掘る?

陽太:掘りましぇん…

雪:なら通報は勘弁してやろう。

陽太:雪先輩〜!神と呼ばせてください!

雪:神の命令。雪先輩と呼べ。

陽太:誠心誠意、雪先輩とお呼び致します!

雪:ハハッ、本当に、お前は…

陽太:…雪先輩?

雪:…楽しかったな。

陽太:先輩。卒業、おめでとうございます。

雪:ああ、ありがとう。

陽太:先輩との二年間、すごく楽しかったです。

雪:私もだ。

陽太:俺、先輩のパンツしか見ませんでした。

雪:…は?

陽太:あの穴は、先輩のパンツを見たい一心で掘ったんです。
   だから、なくなってもいいです。

雪:おい。

陽太:雪先輩、好きです!俺と付き合ってください!

雪:出直してこいボケェ!

陽太:ぐわーっ!やっぱり駄目だ!

雪:嫌なだけで、駄目じゃないぞ。

陽太:…へ?

雪:ちゃんと言葉を練ってから、出直してこい。待ってるぞ。









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