サヴァンナの詩
『月』
この盃から滑り落ちたら
あなたは暗い海に溺れる
深く ただ深く沈みながら
あなたは短い夜になる
おぼろげな意識はもういずれ
古い弦のようにぷつりと切れて
私のことなど忘れていつか
あなたは長い朝になる
寂しくないよ
遠く離れた場所から
ずっとあなたを見つめてる
その地に刻む幾億の歩みの先で
あなたの帰りを待っている
静かに暮れたその先で
あなたの帰りを待っている
あとがき
月までの距離はおよそ40万キロメートル。
人の一生の歩幅で帰るのはちょっと大変です。
歩きましょう、サヴァンナ。
帰りを待つあの人に、たくさんのお話を届けるために。
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