サヴァイブ・イン・フランチェスカ!

【闇の組織と3人のメイド】



・ゴトー(ごとー) ♂
黒王軍に仕える使用人。役職は執事長。冷酷な性格で人の死を何とも思わない。

・ジープ(じーぷ)♂
黒王軍に仕える使用人。役職は執事。
真面目で几帳面な性格。

・カプリコ(かぷりこ)♂
黒王軍に仕える使用人。役職は副執事長。盲目で生まれつき目が見えない。
謎に包まれた存在。

・ラムリ(らむり)♀
黒王軍に仕える使用人。役職はメイド。
明るく元気な性格だが、口が悪い。

・メリリ(めりり)♀
黒王軍に仕える使用人。役職はメイド。
ラムリの双子の妹。人見知りで物静かな性格。

・無限台篤宗(むげんだいあつむね)♂
異世界からやってきた筋肉マッチョなメイド。暑苦しい性格。源氏名はフランチェスカ。

・明土朝与(あかつちさよ)♀
異世界からやってきたメイド長。
優しくおっとりした性格。

・無限台地子(むげんだいちいこ)♀
異世界からやってきたメイド。篤宗の妹。身体能力抜群のツッコミ少女。
源氏名はチッチョリーナ。

・アトラス(あとらす)不明
スターダストメモリーを守る星の導き手。時と空間を司る神の使い。

♂4 ♀3 不問1







【は じ ま り】

【BGM】

ゴトー「それではこれにて、本日の執事黒議(しつじこくぎ)を終了する。
    各々、主人(あるじ)の為に尽力する様に。以上。解散。」

( SE 沢山の足音)

ジープ「お疲れ様で御座いました。ゴトー執事長。」

ゴトー「毎朝同じ様な事しか言わん会議など何の意味があると言うのか…
    いい加減飽きてきたな。」

カプリコ「ゴトー様、失礼致します。
     メイド希望の者が3名見えておりますが、いかが致しましょう?」

ゴトー「メイド希望?まぁ良い、通せ。」

カプリコ「ハッ。篤宗殿、朝与殿、地子殿、こちらへ。」

( SE 大きな足音)

ジープ「お、おぉ…」

篤宗「貴方がここで一番偉いお方か?」

ゴトー「いかにも。私が執事長のゴトーだ。」

篤宗「単刀直入に申す。俺たちをメイドとして雇ってもらえぬか?」

ゴトー「ほほぉ…後ろの2人は…まぁ分かるが…
    お前も…その…メイド…か?」

篤宗「ああ!性は無限台、名は篤宗!源氏名はフランチェスカと申す!!」

朝与「明土朝与と申します。よろしくお願いしますね。」

地子「む、無限台地子です。よろしくお願いしますです。」

篤宗「源氏名は名乗らなくて良いのか?チッチョリーナよ。」

地子「ちぃこです。」

ゴトー「…ん..んん(咳払い)よ、良かろう…
    だが、我が軍には弱者は必要ない。貴様、見掛け倒しではあるまいな?」

【SE:ゴゴゴゴ】

地子「ッ!! す、すごい殺気です…!!」

朝与「あらあら、まあまぁ。」

篤宗「ゴトー殿。では、手合わせを願いたい!」

ゴトー「….殺す気で来い!」

篤宗「…….ぬんっ!!」

【SE:衝撃音】

ゴトー「ほぉ。」

地子「あ、兄様の拳を…指一本で止めてる…です…!?」

篤宗「ぬ?うおおおおおおお!!!!】

【SE:多数の衝撃音】

ゴトー「ふん、なかなか筋は良い。
    が、この私に一撃も当てれぬようでは話にならんな。」

地子「全部の拳を指一本で受け流してるです!?何者ですか!?あの執事長!?」

朝与「あらまぁ、すごい。」

篤宗「はぁ..はぁ..はぁ…。」

ゴトー「どれ、この指についた微かな傷を何倍にして返してやる。」

【SE:ピィーン】

篤宗「っ!?ぐあああっ!!」

地子「兄様!?」

ゴトー「本来ならばその身を引き裂いて肉塊にしてやるところだが…
    貴様の度胸に免じて今回は合格にしておいてやろう。」

篤宗「はぁ..はぁ..はぁ….。」

地子「兄様、大丈夫です?」

篤宗「うむ…案ずるな、チッチョリーナ。」

地子「ちぃこです。」

ゴトー「ジープ、こいつらをメイド室まで案内してやれ。」

ジープ「かしこまりました。」

ゴトー「カプリコ、お前はこっちだ。」

カプリコ「ハッ!」

ジープ「篤宗、朝与、地子、あなた方には今日から黒王軍のメイドとして働いてもらいます。
    私は執事のジープ。
    では、こちらへ。メイド室へご案内します。」

【SE:足音】

ゴトー「….カプリコ。」

カプリコ「ハッ。」

ゴトー「おそらく奴らは異世界人だ。
    あれだけの力を持っているのに全く『気』を感じなかった。
    我々の常識が通用しない相手かもしれん。
    奴らから目を離すな。使い様によっては、我々の計画に利用できるやもしれん。」

カプリコ「承知致しました。ゴトー様。」

− メイド室 −


ジープ「ここがメイド室です。今は…誰もいない様ですね。
    直(じき)に私の妹が戻るでしょう。何かあれば彼女たちに聞いてください。
    では、私はこれで。」

朝与「お世話様でした。」

地子「兄様、本当に大丈夫です?」

篤宗「うぅ…あ、あぁ…あの執事長、只者ではない。
   やはりここは俺たちの世界とは別の世界の様だ。」

朝与「執事長さんの殺気、凄かったですものねぇ。
   私の笑顔フラッシュも効かなさそうでした…。」

地子「やっぱり逃げるのが得策です!
   こんなとこにいたらさっきのバケモノたちに殺されるですよ!」

篤宗「いや、ここが別世界なら、無闇に歩き回る方が危険だ。
   俺は生きて兄者の元に還らねばならぬのだ!」

地子「兄様….。」

【SE:足音】

ラムリ「へぇ?あんた達が新人のメイド??」

メリリ「ようこそ、黒王軍へ。」

朝与「黒王…軍…?って何のことかしら?」

ラムリ「はぁ?アンタたちここが黒王軍総本部って知らずに入軍したの?
    やばくなーい?」

メリリ「もぉ、ラムリちゃん!初対面で失礼だよぉ!
    ご挨拶が遅れました。私はメイドをしています、メリリです。
    こちらは双子の姉のラムリちゃんです。よろしくお願いします。」

ラムリ「よろしくー。」

朝与「ご丁寧にどうもありがとうございます。私は明土朝与。
   そしてこちらは…。」

篤宗「同じくメイドの無限台篤宗。こっちは妹のチッチョリーナだ。」

地子「ちぃこです!!」

ラムリ「えっと、朝与…さんは、まぁ見るからにメイドだけど…
    こっちのゴリラは本当にメイド?あとこのチョッチュリーナ…」

篤宗「チッチョリーナだ。」

地子「だからちぃこ!!」

朝与「オホホ、私、メイド長をしていましたのよ。」

ラムリ「へぇ、でもここでは私たちの方が先輩だかんね!」

朝与「はい、ラムリさん、メリリさん。」

ラムリ「ふぅ、それで、アンタたちどれくらい強いの?」

地子「え?」

ラムリ「ここでは強さが全て。家事とか掃除とか、そんなの誰も求めてない。
    強い者だけが必要とされ、弱い者は死ぬ。ここはそういう場所だよ。」

メリリ「私たちも最初は必死でした。」

朝与「あらあら…」

地子「ゴクリ…」

ラムリ「さっ、ちょっと見てやるから、かかってきな。誰でも良いからさ。」

メリリ「ラムリちゃん、そんないきなり…」

地子「あ、兄様は執事長にやられて負傷してるです!!」

ラムリ「ふぅん、執事長とヤって生きてんだ…
    じゃあチーコリーナ、アンタ来なよ!」

地子「混ぜないでください!!わ、私は戦えないです…!!」

ラムリ「んもぉ、じゃあ朝与さん!」

朝与「わ、私も戦いはちょっと…
   技と言えるような物も、この笑顔フラッシュしか…」

【SE:ピカーッ!】

地子「メイド長、そんなもの効く訳が…」

ラムリ「うわっ!まぶしっ!!」

メリリ「何も見えないぃ!!!」

地子「って効くんかーい!!」

ラムリ「眩しい眩しい!
    わかった、わかったから、朝与さーん!って、あれ?」

メリリ「あれ?お三方ともどこへ行かれました?」

ラムリ「朝与さぁーん!ゴリラー?」

メリリ「チッチョリーナさーん!」

ラムリ「どうしよう…あいつら、消えちゃった…」

【場面切替】

地子「ん…んん?え?あれ?こ、ここどこです?」

篤宗「俺たちさっきまで宮殿のメイド室にいたはず…!!」

朝与「あらあら、私の笑顔フラッシュにワープ機能でも付いちゃったのかしら??」

アトラス「ようこそ、星に導かれし者たちよ。」

地子「ッ!?だ、誰です!?」

アトラス「私は星の導き手アトラス。
     そしてここは伝説の聖地『スターダストメモリー』。」

篤宗「お主、何故裸なのだ?まさか露出狂か?」

アトラス「裸?なにをおかしなことを。これは神の使いである我々の正装だ。」

篤宗「か、神の使い…!!!」

朝与「あらあら、もっと凄い所にワープしちゃったみたいですね。」

アトラス「黒王軍の宮殿からお前たちを飛ばしたのは私だ。
     すまない、どうやら時空の歪みが生じ、
     我々の世界とお前たちの世界を繋いでしまったらしい。」

地子「私たちは…元の世界に還れるのですか?」

アトラス「もちろんだ。ここに簡易的な時空の穴を創造した。
     この中に入ればお前たちは元の世界に還れる。」

地子「ほ、ほ、本当に大丈夫ですか?」

アトラス「神の言葉に偽りはない。」

朝与「今は行くしかないようですね。」

篤宗「アトラスとやら、もう一度この世界に来る事は可能なのか?」

地子「兄様!?何言ってるです!?」

篤宗「俺は兄者を護る為にこの肉体を鍛えてきた。
   しかし、あのゴトー執事長には手も足も出なかった…。
   俺は奴にリベンジがしたい….!!」

地子「兄様……」

アトラス「いくら神と言えど、まだ見ぬ未来を予知する事はできん。
     が、可能性は無限大だ。いずれまた、2つの世界を繋ぐ時が来るやもしれん。
     …お前が望むなら。」

篤宗「……うむ。」

アトラス「さぁ行け、異世界の英雄たちよ。」

篤宗「感謝する、アトラス。」

地子「ありがとうございましたです!」

朝与「お世話になりました。笑顔フラッシュ☆」

【エンドロール】

アトラス「くっ!まぶし!!」

地子「神様にも効くの!?」

【お わ り】



オマケ

地子「もしメイド長と執事長が戦ってたら!!」

ゴトー「よかろう…本気でくるがいい。」

朝与「では、胸をお借りして……笑顔フラーッシュ☆」

ゴトー「………。」

ラムリ「うわっ、執事長が目を逸らした!?」



オマケ

篤宗「もしチッチョリ」

地子「ち・い・こ!!!」

朝与「地子ちゃんと執事長が戦ってたら。」

ゴトー「どうした。」

地子「まいりました……(ガクガク)」

篤宗「地子はなぜ動かずして白旗を上げたのだ……?」

メリリ「たぶん、どんな攻撃を繰り出しても次の瞬間に死ぬ未来が見えちゃったのかも…」









ファンタジーバトルストーリー「サヴァイブ☆スター」の作者、サーちゃんが、
なんとなんと、「メイド イン フランチェスカ!」とのコラボ台本を作ってくれました!
味醂屋工房で公開していいとのことだったので公開ヤッター!!

最後のオマケの部分は味醂屋が書かせて頂きました!
楽しんで頂けたら幸いです!



@コラボページへ行く!

A作者の部屋を物色する!